産業廃棄物におけるガラスくずとは?処理方法と合わせて紹介

公開日:2024/12/15   最終更新日:2024/12/23

産業廃棄物におけるガラスくずとは?処理方法と合わせて紹介の画像

産業廃棄物は、主に20の分類に分けられ、処分方法が異なります。ガラスくずも、産業廃棄物のひとつです。さらに、ガラスくずのなかにも細かな分類があるとご存じでしょうか。産業廃棄物の処理をする際は、決められた正しい方法でやらなければなりません。本記事では、ガラスくずの種類・処理方法などを詳しく紹介します。

ガラスくずの種類

産業廃棄物の分類におけるガラスくずはガラスくず、コンクリートくずおよび陶磁器くずに分類されます。

それぞれの特徴を見ていきましょう。

ガラスくず

産業廃棄物のガラスくずは、主にガラス製品が破損したり割れたりした際に生じる破片やくずを指します。

ガラスくずは、さまざまな形態や種類が存在します。たとえば、廃空きビン類や板ガラスくず、アンプルロス、廃損ガラス、ガラス繊維くず、カレットくず、そしてガラス粉くずなどが産業廃棄物のガラスくずに該当します。特筆すべきは、産業廃棄物として排出されるガラスくずの約77%がリサイクルされている点です。

コンクリートくず

次に挙げられるのはコンクリートくずです。

コンクリートくずとは、コンクリート製品の製造過程などで生じるコンクリートのかけらや不良品などの廃棄物を指します。具体的な品目としては、コンクリートブロックくず、インターロッキングくず、石膏ボードくず、セメントくず、そしてモルタルくずなどが挙げられます。

石膏ボードは以前は別の分類に属していましたが、現在ではガラスくず、コンクリートくずおよび陶磁器くずに含まれています。

陶磁器くず

最後に挙げられるのは陶磁器くずです。

陶磁器くずとは、陶磁器やセラミック製品が壊れた際に発生する破片や崩れた部分を指します。代表的な品目としては、土器くず、陶器くず、磁器くず、せっ器くず、燃結材くず、フェライトくず、セラミックくず、素焼くず、耐火煉瓦くず、焼瓦くず、そしてタイルくずなどです。

陶磁器くずもガラスくず同様、リサイクル可能な資源として処理できます。

ガラスくずの処理方法

産業廃棄物のガラスくずは、埋立処分またはリサイクル処理のいずれかで処理されます。

埋立処理

埋立処理では、中間処理業者によって破砕された後、安定型最終処分場に運ばれて埋め立てられます。

ただし、ガラスくずのなかにはリサイクルできないものもあり、環境省の資料によれば、排出されたガラスくずの8%が減量化され、15%が最終処分場に埋立処分されるとされています。

リサイクル処理

一方、リサイクル処理では、ガラスくず、コンクリートくず、および陶磁器くずの77%が再利用される可能性があります。

リサイクル可能なガラスくずは、色分けされて破砕され、再利用可能なカレットとしてリサイクルされます。できあがったカレットは、ほかの原材料よりも低温で解けるため、再びガラスを生成する際にエネルギーや資源を節約できます。また、ガラスくずや陶磁器くずは、破砕後に路盤材や骨材原料としても再利用できます。

多様なリサイクル処理により、資源の有効活用が促進されます。ガラスくずは水を吸収しない特性をもち、陶磁器くずは通気性と保水性を兼ね備えているため、それぞれの特性を活かしてリサイクルされます。

しかし、現在ではまだ15%のガラスくずが最終処分場に埋立処分されている状況です。ガラスくずのリサイクルには改善の余地があり、より効率的なリサイクルシステムの構築が求められています。

産業廃棄物を出す際はマニフェスト発行が必須

産業廃棄物を排出する際には、マニフェストの発行が義務付けられています。

しかし、ガラスくずを産業廃棄物として排出する場合は、処理方法によってマニフェストの必要性が異なります。具体的には、リサイクルする場合はマニフェストが不要となりますが、リサイクルできない一部のガラスくずはもっぱら物として扱われ、マニフェストが不要になります。

もっぱら物とは、再生利用の目的となる廃棄物のことで、リサイクルが主な目的とされます。もっぱら物に該当するガラスくずは、特定のリサイクル業者に引き渡す場合にマニフェストが不要となりますが、委託契約書は必要です。

ただし、ガラスくずが有価物として扱われる場合やほかの産業廃棄物とまとめて排出される場合には、マニフェストの発行が必要となります。マニフェストの発行においては、産業廃棄物の種類として1300 ガラス・コンクリート・陶磁器くずなどの適切な項目を選択し、地域によって異なる表記に注意する必要があります。

また、マニフェストの発行が不要な場合でも、適切な処理業者に委託し、必要な書類の作成をおこなわなくてはなりません。産業廃棄物のガラスくずについては、リサイクル可能なものとそうでないものが存在し、処理方法によって異なるため、適切な処理と手続きが求められます。

まとめ

産業廃棄物のガラスくずは多様な種類に分類され、リサイクルや埋立処分などの処理方法が適用されます。リサイクル可能なガラスくずは再利用率が高く、資源の有効活用に貢献しますが、まだ十分にリサイクルされていない部分もあります。処理の際にはマニフェストの発行が必要であり、リサイクル可能なものとそうでないものの区別が重要です。もっぱら物として扱われるガラスくずはマニフェスト不要ですが、有価物として扱われる場合は必要とされます。産業廃棄物の適切な処理とマニフェストの発行は、環境保護と資源の有効活用に向けた重要な取り組みです。

横浜のゴミ回収業者ランキング
24時間いつでも回収可能!

e-BRIGHT(イーブライト)

e-BRIGHT(イーブライト)の画像 引用元:https://e-bright.jp/
横浜でおすすめの事業系ごみ回収業者
  • Point

    24時間365日いつでも回収可能

  • Point

    飲食店からオフィス系など様々な業種に対応

  • Point

    電話での対応も可

おすすめ関連記事

サイト内検索

【NEW】新着情報

産業廃棄物は、主に20の分類に分けられ、処分方法が異なります。ガラスくずも、産業廃棄物のひとつです。さらに、ガラスくずのなかにも細かな分類があるとご存じでしょうか。産業廃棄物の処理をする際は
続きを読む
動物系固形不要物は、家畜のと畜時や食鳥の処理時に発生する不要物のことです。と畜時に発生する動物系固形不要物は、正しい手順で処分しなければなりません。また、牛海綿状脳症(BSE)の問題について
続きを読む
事業所で使用した蛍光灯は、産業廃棄物として処分しなければなりません。しかし、処分の際どのような点に注意するべきか、処分の流れがよくわからないという事業者の人もいるのではないでしょうか。本記事
続きを読む
事業活動を行う際に必ず発生するのが「事業ごみ」です。これからビジネスを始めようと考えている方のなかには、「家庭ごみとの違いは?」や「どうやって処分すれば良いのか?」といった疑問を持つ方も少な
続きを読む
事業活動で発生する木くずは、産業廃棄物と一般廃棄物に分類されます。処理方法を誤ると法令違反となる可能性もあり、正しい知識と処理方法を理解しておくことが重要です。本記事では、産業廃棄物としての
続きを読む
日々発生する産業廃棄物のなかでも、金属くずは適切な処理が求められる重要な存在です。リサイクル率90%を超え、貴重な資源として活用される一方で、不適切な処理は環境汚染を引き起こす可能性も孕んで
続きを読む
産業廃棄物のなかでも最も排出量が多いのが汚泥です。見た目はドロドロとした泥状物質で、事業活動に伴って発生します。しかし、汚泥といっても、実はさまざまな種類があり、適切な処理方法もそれぞれ異な
続きを読む
私たちの生活を支える事業活動の裏側で、膨大な量の産業廃棄物が発生しています。適切に処理されなければ、環境汚染や悪臭、さらには健康被害など、深刻な問題を引き起こす可能性も多いです。本記事では、
続きを読む
事業活動に伴い必ず排出されるのが不要物です。一見同じに見えても、「産業廃棄物」と「有価物」では処理方法や責任の所在が大きく異なります。間違った処理をしてしまうと、法令違反で罰金を科せられる可
続きを読む
消火器はいざという時に命を守る大切な存在です。しかし、古くなったり、引っ越しなどで不要になったりした場合はどうすれば良いのでしょうか?一般のゴミとして捨てることはできません。適切な方法で処分
続きを読む