企業のごみを減らすには?事業系ごみの削減方法と個人でできる取り組み
近年、企業のあり方が変化してきており、社会的責任が求められるようになってきました。そうした背景から、ごみの削減を中心とした環境活動に取り組む企業が増えてきています。そこで今回は、事業系ごみの現状と課題について解説し、ごみを削減するために有効な取り組みをご紹介します。個人向けの取り組みもあるので、参考にしてください。
事業系ごみの現状と課題
21世紀に入り、日本は3R活動に力を入れてきました。3Rとは、「リデュース=ごみを出さない」「リユース=再使用」「リサイクル=再生利用」を意味しています。こういった取り組みの成果もあり、大幅にごみを削減していますが、まだまだ課題も多いのが現状です。
年間のごみ総量約4,000トン
日本では、大幅なごみ削減に成功したとされる今もなお、年間約4,000トンのごみが排出されています。これは、東京ドーム100杯以上に匹敵する量です。
このままごみが排出され続けると、2040年ごろには、ごみを埋め立てるスペースがなくなってしまうという発表もされており、大きな懸念事項となっています。また、これほど多くのごみを焼却すれば、二酸化炭素が大量に排出されます。地球温暖化の加速や生態系への影響も免れないでしょう。
今後の課題
日本では、リサイクルに比べ、リデュースやリユースの取り組みが遅れているといわれています。ごみを減らすには、この2R(リデュースとリユース)の促進が欠かせません。
そういったことから、環境省では今後の課題として、容器梱包の削減や長期使用できる製品などを開発し、2R促進に貢献している企業が社会的に評価してもらえるシステムの整備や、リユース品がたくさんの人から受け入れられるよう、リユース品に性能保証がつけられるようにするといった取り組みを推進しています。
事業系ごみを削減するための取り組み
ここからは、実際にどういった取り組みを行えばよいのか確認していきましょう。企業がごみを減らすために取り組む項目と、自社商品を購入した消費者がごみを減らすために取り組む項目のふたつに分けて考えていきます。
企業がごみを減らす取り組み
リデュース
まず、ごみ自体を減らす取り組みが必要です。生鮮食品やお総菜など、消費期限の短いものは適量を仕入れ、食品ロスが発生しないよう工夫しましょう。事務用品などは、リフィルを詰め替えるタイプの物にすることで、繰り返し使うことができます。
とくに企業では、大量の紙ごみが発生します。資料をデータ化し、印刷を最小限にすることで、紙ごみを大幅に削減できます。また、オフィスでコーヒーなどを飲む際に、紙コップなどの使い捨てではなく、マイカップを使用することもおすすめです。
リユース
次に、再使用の取り組みについて考えていきましょう。不要になった資料を裏紙やメモ用紙として使用する、社内文書のやり取りは使用済みの封筒を使う、などは簡単に取り組むことができます。
また、使わなくなったイスやデスク、プリンターのトナーなどは、リサイクルショップで買い取ってもらえることもあるので、廃棄する前に確認してみましょう。自分で使わなくなったものをほかの人に使用してもらうという手段も、ごみを減らすのに有効です。
リサイクル
裏紙として使用できない機密資料などは、シュレッダーにかけて捨てている企業も多いと思いますが、実は、シュレッダー紙をリサイクルしている業者があります。
メモ用紙や名刺など小さな紙類でも引き取ってくれるリサイクル業者もあるため、紙は徹底してリサイクルするべきです。また、社員食堂などで出た生ごみを堆肥化して、近所の農家で使用しているという素晴らしい事例もあります。
自社商品を購入した消費者がごみを減らす取り組み
自社商品を購入した消費者が商品を持ち帰った後に、できるだけごみが出ないようにする工夫も大切です。パック売りではなく、バラ売りや量り売りを採用し、消費者が必要な量だけを購入できれば、食品ロスが減るでしょう。
また、レジ袋や過剰包装を廃止することで、持ち帰り後のごみが発生しません。リフィルで何度でも繰り返し使える製品や耐久性の高い製品を開発することも、ごみ削減につながります。さらには、壊れても修理対応できる商品であれば、ごみにならず長期間使用できるでしょう。
個人でもごみ削減への意識を高めよう!
ごみ削減の取り組みは、企業だけでなく個人単位でも行うべきです。企業同様、3Rを意識しましょう。無駄なものは買わない、貰わないはもちろんのこと、マイバックやマイボトルを持ち歩いたり、長く使える商品を選んだりすることで、ごみを削減できます。
また、物が壊れたからといって、すぐに捨てるのではなく、できる限り修理して使うことも大切です。もし、不要になったものがあれば、リサイクルショップに買い取ってもらったり、必要としている人に譲ったりして、ごみを出さない工夫をしましょう。個人の取り組みであっても、1人ひとりが意識を高めることにより、大きな成果を出すことができます。
まとめ
今回は、ごみの削減に有効な取り組みについて詳しく解説しました。リデュース・リユース・リサイクルの3Rを推進していくことが、ごみの大幅削減につながります。企業や個人が意識を高め、連携してごみを削減していけば、温暖化や生態系への影響を緩やかなものにすることが可能になるでしょう。地球に快適に住み続けるためにも、ぜひ取り組んでいきたいものです。
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引用元:https://e-bright.jp/