事業系ごみと家庭ごみはどう違う?種類や処分方法と合わせて解説!
事業活動を通じて排出されるごみと家庭から出るごみは、どちらも同じごみですが処分方法が異なることをご存知でしょうか。ここでは事業系ごみと家庭ごみの違いといった基本的な知識から、正しい処分の方法まで、ごみに関して知っておきたい情報を分かりやすく解説しています。ごみ処分の際はぜひ参考にしてみてください。
事業系ごみと家庭ごみの違い
家庭ごみは家庭から出るごみ全般を指し、行政用語では家庭系一般廃棄物と呼ばれ、処理に関する最終的な責任は各市区町村が負います。そのため、ごみ収集車や処分をするクリーンセンターなどは各自治体によって管理されており、住民は処理費用を負担することなく、運営に関する費用やスタッフの人件費は住民税などの公費を財源としています。
一方事業系ごみは企業や店舗、公共施設などの事業活動にともなって排出されるごみのことを指し、行政用語では事業系一般廃棄物と産業廃棄物に分類されます。家庭ごみと同じような紙ごみや生ごみも事業活動によって出たものであれば、事業系一般廃棄物として処理する必要があります。
ここでいう事業活動とは営利目的の活動だけではなく、教育や福祉施設での活動、NPO法人によるボランティア活動といった非営利の活動もすべて含まれているということも覚えておきましょう。廃棄物処理法の第3条第1項において、事業系ごみを処理する責任は排出した事業者が負うということが定められているので、事業系ごみを家庭ごみと同じようにごみ袋に入れて集積場に出すことは不法行為とみなされます。回収や処理にまつわる費用の負担はもとより、処分方法が適切であったかどうかまで事業者が責任を負いるため、業務の一環として正しい知識を身につけておく必要があるでしょう。
事業系ごみの種類
事業系ごみは内容によって産業廃棄物と事業系一般廃棄物に分類されます。ここではそれぞれの中身について見ていきましょう。
産業廃棄物の種類
すべての事業活動にともなって排出されるものに燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、ガラスくず・コンクリートくずおよび陶磁器くず、鉱さい、がれき類、ばいじんがあります。また、特定の事業活動にともなって排出されるものに紙くず、木くず、繊維くず、動植物性残さ、動物系固形不要物、動物のふん尿、動物の死体があります。
これらの産業廃棄物を処分するために使用したコンクリート固形化物など、上記の産業廃棄物に該当しないものも産業廃棄物です。さらに上記の20種類の産業廃棄物とは別に、爆発性・毒性・感染性のある廃棄物のことを特別管理産業廃棄物と呼びます。特別管理産業廃棄物を排出する事業者は自ら処理基準に沿って処理するか、特別管理産業廃棄物の許可業者に運搬や処分を委託する必要があります。
事業系一般廃棄物の種類
事業活動にともなって生じたごみのうち、産業廃棄物に分類されないごみ全般を事業系一般廃棄物と呼びます。ただし例外として、出版業や印刷業の活動からでた紙くずや、製材業や建設業の活動から出た木くずなどは産業廃棄物とみなされます。また、廃家電の処理については、家電リサイクル法で定められた処分方法が適用されるので注意しましょう。
事業系ごみの処分方法
事業系ごみの処理責任は事業者にあり、種類ごとに定められた方法で自ら適切に処分しなければなりません。排出と処分の方法は事業系一般廃棄物と産業廃棄物で異なるので、それぞれ確認しておきましょう。
事業系一般廃棄物
事業系一般廃棄物の処理方法は、事業者自らが直接処理施設に持ち込む方法と、処理業者に委託する方法とに別れます。直接持ち込む場合は、市区町村指定の処理施設に持ち込むことになります。その際処理施設に対しては、市区町村ごとに定められた一定の手数料を支払わなければなりません。
一方処理を業者に委託する場合は、必ず自治体による許可を得た事業系一般廃棄物処理業者に委託する必要があります。万一無許可の業者に委託してしまうと、委託した事業者も廃棄物処理法違反の罪に問われてしまいます。また、廃棄物の品目によっては違う許可が必要なので、委託する業者が許可を得ている内容に処理予定の品目が含まれているかどうかの確認も必要となります。
産業廃棄物
産業廃棄物の回収と処理については、都道府県知事が許可する産業廃棄物処理業者に委託する必要があります。事業系一般廃棄物と同様、産業廃棄物についても品目ごとに許可が異なる点には注意しましょう。産業廃棄物には特定業種から排出される特殊な廃棄物も多いため、処理業者を探すのは簡単ではないかもしれません。困ったときは各都道府県の廃棄物を管轄する部署に確認するとよいでしょう。
まとめ
生活習慣でもある家庭ごみの処理方法よりも複雑で分かりにくい事業系ごみの処理方法ですが、事業活動には必ず廃棄物がともなうので、自社の事業内容に関係する部分については押さえておく必要があります。誤った処分方法により法的な責任を問われたり環境に悪影響を与えたりしないように、正確な知識を身につけ、正しく廃棄物の処分を行うようにしましょう。
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引用元:https://e-bright.jp/