産業廃棄物の金属くずの種類・処分方法とは?

公開日:2024/08/15  

?

日々発生する産業廃棄物のなかでも、金属くずは適切な処理が求められる重要な存在です。リサイクル率90%を超え、貴重な資源として活用される一方で、不適切な処理は環境汚染を引き起こす可能性も孕んでいます。本記事では、金属くずの処分方法について、種類やリサイクル、法令遵守、業者選びまで、徹底的に解説していきます。

金属くずの種類とリサイクルの重要性

日々の事業活動において、金属製の製品や部品は欠かせません。

そして、これらの製品や部品が役目を終えたとき、金属くずと呼ばれる産業廃棄物が発生します。

金属くずの種類

金属くずは、その発生過程に基づいて自家発生スクラップ、工場発生スクラップ、老廃スクラップの三つのカテゴリーに分類されます。

自家発生スクラップは企業の製品製造プロセス中に発生する金属くずで、これには端材や加工屑が含まれます。一方、工場発生スクラップは製品の製造や修理過程で生じる金属くずで、切断屑や研削屑などがこれに該当します。

最後に、老廃スクラップは使用済みの製品や設備から生じる金属くずで、例えば自動車や建物の解体から生じるものです。金属くずには鉄、アルミ、ステンレスなどさまざまな種類があり、それぞれに独自のリサイクル方法と価値が存在します。

金属くずのリサイクル

金属くずは、産業廃棄物のなかでもリサイクル率が非常に高く、90%を超えます。

これは、金属が再利用しやすい性質をもっているためです。鉄鋼製品は、何度もスクラップされて再利用されることで、資源の有効活用に大きく貢献しています。たとえば、自動車のボディは、リサイクルされた鉄鋼製品で作られています。

また、アルミ缶もリサイクル率が高く、回収されたアルミ缶は、新たなアルミ缶や建材などに生まれ変わります。また、近年注目されているレアメタルは、電子機器や電池などに使用されています。これらのレアメタルは、金属くずから回収できます。

リサイクル技術の進歩により、希少価値の高いレアメタルを効率的に回収することが可能になり、資源の確保と環境負荷の低減に貢献しています。このように、金属くずのリサイクルは、資源の有効活用、環境負荷の低減、経済活動の活性化など、さまざまなメリットがあります。

金属くずを適切にリサイクルするためには、排出事業者、中間処理業者、最終処分業者それぞれの役割が重要です。排出事業者は、マニフェストを作成し、許可をもった中間処理業者に依頼する必要があります。

中間処理業者は、金属くずを破砕、切断、圧縮などの処理をおこない、最終処分業者に引き渡します。最終処分業者は、安全かつ適切な処理をおこないます。金属くずのリサイクルは、私たち一人一人が取り組むことができる環境問題です。

金属製品を購入する際には、リサイクル可能な製品を選ぶようにしましょう。また、使用済みとなった金属製品は、適切な処理業者に依頼してリサイクルするようにしましょう。

マニフェストと処分業者への依頼

金属くずの適切な処理は、環境保全と事業者の責任を果たすために重要です。

法令遵守は、そのための第一歩であり、排出事業者は産業廃棄物処理法に基づいた適切な処理をおこなう必要があります。

マニフェストとは?

産業廃棄物、特に金属くずを処理する際には、「マニフェスト」という書類の作成が法律により義務付けられています。

マニフェストは廃棄物の流れを追跡し、適正な処理が行われていることを証明するための重要な書類です。

この書類には、排出事業者の情報(氏名や名称、住所、電話番号、産業廃棄物処理業の許可番号)、処理業者の情報(同じく氏名や名称、住所、電話番号、許可番号)、廃棄物の種類や数量、処理方法、そして運搬業者の情報が記載されます。

排出事業者はマニフェストを作成後、これを処理業者に委託し、適正な廃棄物処理の履歴としてマニフェストを保管する責任があります。これにより、廃棄物の処理過程全体が透明化され、不適切な処理や不法投棄を防ぐための法的枠組みが整います。

中間処理業者の役割

金属くずは、最終処分前に中間処理業者によって破砕、切断、圧縮などの処理がおこなわれます。

中間処理業者は、産業廃棄物処理業許可を取得した業者のみが運営できます。中間処理業者は、金属くずを効率的に処理し、最終処分業者への搬入を容易にする役割を果たします。

金属くずの処分方法とは?リサイクル業者と最終処分業者

金属くずの処分には、大きく分けてリサイクルと最終処分という2つの選択肢があります。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあり、状況に応じて最適な方法を選択する必要があります。

リサイクル

リサイクルは、金属くずを新たな資源として活用する方法です。

主なリサイクル方法は、以下の2つです。鉄くず、アルミくずなど、価値のある金属は、買取業者に依頼できます。買取業者は、金属の種類や量、状態などを査定し、買取価格を提示します。

リサイクル可能な金属は、リサイクル業者に回収してもらい、新たな製品に生まれ変わらせることができます。リサイクル業者は、金属を破砕、洗浄、精製などの処理をおこない、さまざまな製品の原料として供給します。

最終処分

最終処分は、リサイクルできない金属くずを安全かつ適切に処理する方法です。

主な最終処分方法は、以下の2つです。リサイクルできない金属くずは、安定型最終処分場にて埋め立て処分されます。安定型最終処分場は、環境への影響を抑えるために、地盤や水質などの対策が講じられています。

一部の金属くずは、セメント製造の原料として利用されます。セメント製造過程で高温で焼却されるため、金属は安定化し、環境への影響を抑えられるのです。

まとめ

金属くずの処分は、リサイクルと最終処分の2つの方法があります。リサイクルは、資源の有効活用と環境負荷の低減に貢献します。金属くずは、リサイクル率が非常に高く、鉄やアルミなどさまざまな種類があります。リサイクル業者や買取業者に依頼して、金属くずを再利用できます。一方、リサイクルできない金属くずは、最終処分場やセメント原料として安全かつ適切に処理されます。金属くずの適切な処理は、環境保全と事業者の責任を果たすために重要です。法令を遵守し、マニフェストを作成して、適切な処理業者に依頼することが重要です。

横浜のゴミ回収業者ランキング
24時間いつでも回収可能!

e-BRIGHT(イーブライト)

e-BRIGHT(イーブライト)の画像 引用元:https://e-bright.jp/
横浜でおすすめの事業系ごみ回収業者
  • Point

    24時間365日いつでも回収可能

  • Point

    飲食店からオフィス系など様々な業種に対応

  • Point

    電話での対応も可

おすすめ関連記事

サイト内検索

【NEW】新着情報

事業所で使用した蛍光灯は、産業廃棄物として処分しなければなりません。しかし、処分の際どのような点に注意するべきか、処分の流れがよくわからないという事業者の人もいるのではないでしょうか。本記事
続きを読む
事業活動で発生する木くずは、産業廃棄物と一般廃棄物に分類されます。処理方法を誤ると法令違反となる可能性もあり、正しい知識と処理方法を理解しておくことが重要です。本記事では、産業廃棄物としての
続きを読む
日々発生する産業廃棄物のなかでも、金属くずは適切な処理が求められる重要な存在です。リサイクル率90%を超え、貴重な資源として活用される一方で、不適切な処理は環境汚染を引き起こす可能性も孕んで
続きを読む
産業廃棄物のなかでも最も排出量が多いのが汚泥です。見た目はドロドロとした泥状物質で、事業活動に伴って発生します。しかし、汚泥といっても、実はさまざまな種類があり、適切な処理方法もそれぞれ異な
続きを読む
私たちの生活を支える事業活動の裏側で、膨大な量の産業廃棄物が発生しています。適切に処理されなければ、環境汚染や悪臭、さらには健康被害など、深刻な問題を引き起こす可能性も多いです。本記事では、
続きを読む
事業活動に伴い必ず排出されるのが不要物です。一見同じに見えても、「産業廃棄物」と「有価物」では処理方法や責任の所在が大きく異なります。間違った処理をしてしまうと、法令違反で罰金を科せられる可
続きを読む
消火器はいざという時に命を守る大切な存在です。しかし、古くなったり、引っ越しなどで不要になったりした場合はどうすれば良いのでしょうか?一般のゴミとして捨てることはできません。適切な方法で処分
続きを読む
近年、私たちの生活には電池が欠かせない存在となりました。しかし、使い終わった電池を適切に処理しないと、環境への影響が懸念されます。本記事では、電池を事業系ごみとして捉えることの重要性や、電池
続きを読む
事業ごみの適切な分別と収集は、環境保護の観点からも欠かせません。事業ごみを不適切な方法で処分すると、法律違反になるだけではなく、環境汚染や公害問題に発展する可能性があります。社内で連携してご
続きを読む
事業系ゴミとは、企業や事業所で発生するさまざまな廃棄物のことを指します。事業活動における環境への配慮はますます重要となっていますが、ゴミの分別方法や適切な捨て方がわからないこともありますよね
続きを読む