産業廃棄物の木くずの種類や処理方法とは?
事業活動で発生する木くずは、産業廃棄物と一般廃棄物に分類されます。処理方法を誤ると法令違反となる可能性もあり、正しい知識と処理方法を理解しておくことが重要です。本記事では、産業廃棄物としての木くずの種類、具体的な処理方法、リサイクル方法、費用相場までくわしく解説します。
木くずが産業廃棄物になる場合
産業廃棄物としての木くずと排出事業者について、理解を深めるために以下に説明します。
木くずは、建設工事や解体工事、木材・木製品製造業、貨物の流通のために用いられた木製パレットなど、さまざまな事業活動によって生じます。
これらの木くずは、その排出状況や性質によって、一般廃棄物と産業廃棄物に区分されます。産業廃棄物に該当する木くずの主なケースは以下の通りです。
建設工事や解体工事で発生した木くず
建設工事や解体工事では、木材が多く使用されます。
そのため、これらの工事に伴って大量の木くずが発生します。このような木くずは、汚染者負担原則に基づき、排出事業者の責任で適切に処理する必要があります。
木材・木製品製造業で発生した木くず
木材・木製品製造業では、木材を加工する過程で多量の木くずが発生します。
また、この木くずには粉塵や塗料などが付着している可能性があり、環境への影響が懸念されます。そのため、これらの木くずは産業廃棄物に分類されます。
貨物の流通のために用いた木製パレット
貨物の流通のために用いられた木製パレットは、事業活動に伴って多量に排出されます。
また、再利用される場合もありますが、その際にも産業廃棄物として扱われます。
排出事業者の責任
事業者が木くずを排出する際には、複数の責任が伴います。
まず、木くずを適切に分別し、処理を行うために産業廃棄物処理業者に委託することが求められます。また、産業廃棄物の処理に関してはマニフェストの記載と交付が必要とされ、処理記録も保持する必要があります。
木くずを排出する事業者として考えられる業種には建設業や木材・木製品製造業、木材の卸売業、物品賃貸業、貨物の運送業などがあります。これらの業種の事業者から木くずを受け取る者も、同様に排出事業者としての責任を負います。
もし木くずが産業廃棄物に該当するかや排出事業者であるかの判断が難しい場合は、自治体や産業廃棄物処理業者に相談しておくべきです。
産業廃棄物としての木くずは一般廃棄物とは別に分別する必要があり、分別方法は地域の自治体や処理業者によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
木くずの具体的な処理方法
木くずは、建設業や木材・木製品製造業などで発生する廃棄物です。
適切な処理方法を選択することは、環境保全、コスト削減、事業の円滑化など、さまざまな観点から重要です。
リサイクル
木くずをチップ化、燃料化、堆肥化などして再利用する方法です。
チップ化は、木くずを細かく砕いて紙の原料や建材に利用します。燃料化は、燃えやすい木くずを燃料として利用する方法です。堆肥化は、有機系廃棄物の堆肥化に利用する方法です。
埋め立て
サイクルが難しい木くずを最終処分場に埋め立てる方法です。
埋め立て処理は、処理方法が比較的シンプルで、コストも比較的低いため、多くの木くずが埋め立て処理されています。
焼却
再利用が不可能な木くずを焼却処理する方法です。
焼却処理は、処理後の灰の量が少なく、処理後の灰を埋め立てることで最終処分できるというメリットがあります。また、焼却時に発生する熱をエネルギーとして利用できる施設もあります。
処理方法の選定は、木くずの種類、排出量、処理コスト、環境への影響などを考慮して行われます。
木くずの処理費用相場
木くずの処理費用は、排出事業者にとって重要な検討事項のひとつです。
適切な処理方法を選択するためには、処理方法ごとの費用相場だけでなく、費用に影響を与える要素についても理解する必要があります。本記事では、木くずの代表的な処理方法である「リサイクル」「埋め立て」「焼却」それぞれの費用相場について詳細に解説します。
リサイクル
木くずのリサイクル費用は処理方法によって異なります。
チップ化は比較的低コストで実施でき、1キログラムあたり約10~20円の費用がかかります。この方法では、木くずを小さな片に加工して再利用します。一方で、燃料化はチップ化よりも費用が高く、1キログラムあたり10~30円が必要ですが、エネルギーを回収することが可能です。
また、堆肥化は木くずを肥料として利用する方法で、費用は1キログラムあたり5~15円となりますが、処理に時間がかかるデメリットがあります。これらの方法はそれぞれ異なるメリットとコストが関連しており、適用する状況に応じて最適な選択が求められます。
埋め立て
埋め立て費用は、1トンあたり3,000~8,000円です。
埋め立ては、比較的低コストで処理できる方法ですが、環境への負荷が大きいというデメリットがあります。
焼却
焼却費用は、1トンあたり5,000~1万円です。
焼却は、処理後の灰の量が少なく、エネルギー回収が可能というメリットがありますが、処理コストが高いというデメリットがあります。
まとめ
木くずが産業廃棄物となるかどうかは、排出事業者、発生場所・用途、種類によって判断されます。排出事業者は、木くずの適切な処理方法を理解し、法令を遵守する必要があり、
正しい知識と処理方法を理解しておくことが重要です。分別方法は、自治体や産業廃棄物処理業者によって異なる場合があるため、事前に確認する必要があります。
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引用元:https://e-bright.jp/